仏像&仏様

仏像とは、仏教に関わる像の事です。

お釈迦様

最初に仏像が作られたのは、お釈迦様がお亡くなりになってから500年後の事です。

それまではというと、お釈迦様の足をイメージして作られた「仏足石(ぶっそくせき)」や、お釈迦様が誕生した際に咲いたと言われている「蓮の花」等が崇拝の対象になっていたと言われています。

仏像が誕生した時代と地域には長年の間論争があって、いまだに決着をしていないが、ガンダーラとマトゥラーでほとんど同時に(1世紀中頃)仏像が誕生したというのが最近の通説であります。

それまでの説では、ガンダーラ起源説には、ローランド説、フーシェ説などがあり、マトゥラー起源説には、ヴァン・ロハイツェン・ド・レーウ説、A・K・クマーラスワーミ説などがあります。

ガンダーラ様式の仏像では、現実的な顔立ちで、卵方な顔で、ほりが深くて、鼻筋は高く通っており長い眉の彫りに連なっています。

目を見開いていており、立派な口ひげがあり威厳がある表現となっております。

髪は自然なウェーブがかかっており頭の上で結んで肉髻としております。

そして、両肩を覆う形の通肩(つうけん)と呼ばれる僧の袈裟をまとい、厚い大衣で全身を完全にを覆っております。

大衣は、体の起伏に沿ってゆるやかに垂れており、その前面には左肩を起点とした美しい曲線が描かれております。

マトゥラー様式の仏像では、赤色砂岩から刻み出しており、丸顔で活気あふれる顔立ちをして、胸は広くいかり肩であり、引き締まった体であります。

右肩にまとまった大衣は薄く透けており、裸体のように見えてたくましい肉体表現されております。

左肩から左腕にかけて表された襞(ひだ)は平行に刻まれております。

最初の仏像は、「仏」としてのお釈迦様の姿をイメージして作られており、「三十二相、八十種好(さんじゅうにそう はちじゅうしゅごう)」という特徴を持っている、一種の理想像になります。

これは、仏像の中には「32種類の大きな特徴と80の細かい特徴」が再現されていると言われています。

日本の仏像の顔は、コーカソイド(白色人種)とモンゴロイド(黄色人種)が混ざった顔です。

コーカソイドは鼻根部が高く、鼻筋が通っており、左から顔を見ると、左目は見えて右目は鼻が邪魔をしており見えません。

モンゴロイドは鼻根部が低い為、反対側まで全部見えます。

モンゴロイドは、非常に平面的な顔で、その地域の寒冷な気候に関連しているようです。

寒いと鼻腔に負担がかかってしまい、その寒さから鼻腔を守るために、顔の奥深くに内蔵するようになり鼻が低くなる。

その代わりに、頬骨が外側と前方に広がり顔の幅が広くなり、平面的な顔になります。

仏足石(ぶっそくせき)

仏像の種類は?

日本で見かける仏像の種類は、次の4種類とそのほかの1種類に分けられます。

仏像にもそれぞれの役割があり、序列があります。

目次

  1. ①如来
  2. ②菩薩
  3. ③明王
  4. ④天部
  5. ⑤その他

①如来

如来

如来とは、サンスクリット語でタターガタと言い、「真如から来た者」という意味を持っています。

一番序列が高いのは「如来」であります。

この真如は大宇宙の真理の事で、つまり如来は「真理を悟った人」だと言えます。

この如来は、お釈迦様の姿をかたどったもので、悟りを開かれた後の姿なので、仏像の中では一番高い位とされています。

②菩薩

菩薩

菩薩は、サンスクリット語でボーディサットバと言い、正しくは菩提薩埵(ぼだいさった)で、菩提は「悟り」を意味し薩埵は「衆生(すべての生き物)」を意味し、「悟りを求める衆生」という意味とされています。

この菩薩は、最終的には「如来」になるために、修行を積んでいる「修行者」で、仏であって修行中の身になります。

菩薩は、仏教の序列では如来のすぐ下にあり、如来の意思に従い様々な姿に変わります。

そのため沢山の装飾品を身につけていたり、女性のような姿をしていたり、沢山の顔が頭上にあったり手が千本だったりします。

あらゆる方法で人々を救済するために存在する菩薩は、単体で崇拝されるほか、「釈迦三尊」「阿弥陀三尊」のように如来像の左右を固める脇侍仏(わきじぶつ)として配置される事も多いです。

脇侍仏として表現される、三尊像の如来と菩薩の組み合わせは決まっています。

釈迦如来(しゃかにょらい)には普賢菩薩(ふげんぼさつ)と文殊菩薩(もんじゅぼさつ)、阿弥陀如来(あみだにょらい)には観音菩薩(かんのんぼさつ)と勢至菩薩(せいしぼさつ)、薬師如来(やくしにょらい)には月光菩薩(がっこうぼさつ)と日光菩薩(にっこうぼさつ)が従います。

③明王

明王

明王とは、サンスクリット語で明呪(みょうじゅ)の王という意味を持っており、明呪を唱えて智慧(ちえ)の能力が優れた者を指します。

この明王は、仏教の中でも密教から生まれた仏様と広く信じられており、密教の本尊である大日如来の化身だとされております。

この密教は7・8世紀頃インドで起こって、唐代に中国に伝わりました。

日本には平安初期に空海・最澄により伝えられて、広く信仰された大日如来を本尊とする秘密の教えだと言われております。

明王は如来や菩薩と違っており、忿怒相(ふんぬそう)をもって救いがたい人間や生き物を、救済するために現れた仏様と言われております。

④天部

天部

サンスクリット語では神をデーヴァと言い、音写にすると「提婆」「天」または「天部」という意訳になります。

天部とは、天界に住む者の総称であり、仏教の守護神の事を表す言葉であり、いわゆるボディーガード的な存在になります。

天部は、如来・菩薩・明王たちの邪魔をする仏敵に対して、鎧・兜などを身に着けて、武器を持っておりいつでも闘えるように待機しています。

仏像の中では、帝釈天・毘沙門天のような天像の総称でもあります。

インドの古代神話においては、天界に住む神々の事を指し、仏教に取り入れられた時、護法神となったと言われております。

凡夫は、欲・色・無色の三界を輪廻すると言われております。

この三界には二十八の天界があって、そこには天部が住んでいるといわれております。

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