大黒天とは、大自在天の化身と言われ、大国主命と同一視されています。
今回は、大黒天について紹介していきます。

大黒天の由来は?
この大黒天は、サンクスリット語でマハーカーラと言い、マハーは大いなる、カーラは暗黒と訳し「大いなる暗黒の神」とされております。
インドでは、シバ神の化身で物を破壊する力を持っている神様と言われ、森林中を遊行しながら、人間の肉・血を食べて行くという強暴な戦闘神として知られております。
また、七福神の一尊で忿怒神、夜叉神であります。
そんな恐ろしい神様でありますが、仏教に入り中国に伝わると、財福神としての性格が強調されるようになりました。
その後、日本に伝わってダイコクという音が同じ事から,大国主命(おおくにぬしのみこと)と同一視される事になりました。
その証拠に、因幡(いなば)の白兎(しろうさぎ)に登場する大国主命も、この大黒天と同様に大きな袋を担いでおります。
この大国主命は、「日本書記」「古事記」に出てくる神様で、素戔嗚尊(すさのおのみこと)の子孫であり、出雲大社に祀られております。

また、大国主命は大物主神(おおものぬしのかみ)、大穴牟遅神(おおなむちのかみ)と言う別名を持っております。
これは、大物は巨根、大穴は女陰に通じており、男女が交わる事で子孫繁栄や豊穣をもたらして、富が得られるとされております。
この大黒天は、インドでは台所・厨房の神様として知られており、日本でも天台宗をはじめとして、寺院の台所に祀られるようになったと言われております。
そのような事から、台所で働いている僧侶の妻の事を「大黒さん」と呼んで、その台所近くの太い柱を大黒柱と呼ぶようになりました。
大黒天のスタイルは?
大黒天のスタイルは、大黒天神法(だいこくてんじんほう)によると、体の色は青黒色で三面六臂、頭は火焰髪(かえんぱつ)で、左右の二手で剣を横にして持っており、左の二手で牝羊(めよう)の角を、右の二手は人間の髻(もとどり)を握って、左右の三手で背負うように象皮(ぞうひ)を支えております。
髑髏(どくろ)を瓔珞(ようらく)として首に掛けて、三面ともに雙牙(そうげ)を出して、獰悪(どうあく)な相の忿怒形(ふんぬぎょう)の姿であると胎蔵界曼荼羅の外院に描かれております。
左肩には、お宝が沢山入った福袋を担いでいます。
背負っている袋は子宮を意味しており、この大袋を背負った後ろ姿は、男茎を表現していると言われております。
この袋の中には、仏教の経典によると七宝が入っていると言われております。
七宝とは、人間にとって最も大切な物で、寿命、人望、清麗、威光、裕福、大量(度量の広い事)、愛嬌の意味を表す七つの精神的な宝物の事です。
また別の説で、仏教の経典無量寿経には物質的な宝物であるとされ、金、銀、瑠璃(るり)、玻璃(はり)、珊瑚(さんご)、瑪瑙(めのう)、シャコの七種類の七宝が入っているとも言われております。
大黒天のご利益とは?
商売繫盛・福徳、財宝を与える
大黒天の事が書かれている経典
大黒天神法
大黒天の祭事は?
有名寺院
大黒天の真言は?
オン マカキャラヤ ソワカ