降三世明王とは、三毒を退治し抑え鎮める仏様です。
今回は、降三世明王について紹介していきます。
降三世明王の由来は?
降三世明王は、サンクスリッド語でヴァジュラフーンカラあるいは、トライローキャヴィジャヤと言い、これは3つの世界を降伏するものという意味を持っております。
吽迦羅金剛(うんからこんごう)、忿怒降三世、勝三世明王、孫婆明王(そんばみょうおう)の異称もあります。
この降三世明王は、大日如来、阿閦如来の化身とも言われており、不動明王に次いで重要視されていて、五大明王の一尊で東方を守護しております。
降三世の語源は、3つの世界を降伏するものと言う意味があり、過去・現在・未来の三世で、三毒いわゆる欲望・愚痴・怒りの煩悩を退治し抑え鎮める仏様であります。
降三世明王のスタイルは?
この降三世明王は、一般的には4つの顔に8本の腕の四面八臂(しめんはっぴ)であり、2本の手は、小指をからめて胸の前で交差しております。
これは、降三世印と呼ばれるもので、降三世明王だけのものであります。
また、その他の手には、金剛鈴(こんごうれい)、剣、羂索(けんさく)などを持っております。
髪は逆だっており、正面、左右、背後にある4つの顔は、いずれも怒りの形相いわゆる忿怒相であり、正面の顔には眉間に第三の目があります。
降三世明王は、両足で2つの神を踏みつけていますが、右足には男神である大自在天(だいじざいてん)いわゆるヒンドゥー教のシヴァ神で、左足には女神であるそのお妃の鳥摩(ウマー)であります。
この2つの神は、自分達が世界の支配者であるとし仏教に従わなかったため、大日如来が恐ろしい忿怒に変身し降三世明王に倒されたと言われております。
降三世明王のご利益とは?
煩悩除去・怒りを鎮めたり、欲望に負けないように心を育てたりするご利益があります。
降三世明王の事が書かれている経典
金剛頂経(こんごうちょうきょう)
降三世明王の祭事は?
有名寺院
福井県 明通寺 木造降三世明王立像(重要文化財)
降三世明王の真言は?
ウン・ソンバ・ニソンバ・ウン・バザラ・ウン・ハッタ