普賢菩薩とは?

普賢菩薩とは、釈迦如来の慈悲行を象徴する仏様です。

今回は普賢菩薩について紹介していきます。

普賢菩薩

普賢菩薩の由来

この普賢菩薩は、サンスクリット語でサマンタバドラと言い、サマンタは普で叶うの意味があり、バドラは賢で智慧(賢い)の意味があります。

これはすなわち、全ての時、全ての場所で全ての徳をそなえている一尊であります。

初期の仏教では、女性は仏道には入る事が出来ず、悟りを開く事も出来ないが、大乗仏教(だいじょうぶっきょう)では、この普賢菩薩が女性も悟りを開けるという女人往生(にょにんおうじょう)を説いたとされ、そのために特に女性からの信仰を集めたとされております。

法華経(ほけきょう)は大乗仏教の代表的な経典であり、その中で沢山の菩薩と共にこの普賢菩薩が六牙(ろくげ)の白象(びゃくぞう)乗って現れて、信者をお守りすると説かれております。

この六牙の白象は、インド神話において象の王の事を指し、お釈迦様の前生は、象王であったという逸話が伝えられております。

この事から後世では、6本の牙を持つ白い象の上に置かれている蓮台(れんだい)に座って、合掌している騎象像(きぞうぞう)が作られるようになりました。

象はインドでは、神聖な動物とされており、白色の象は清らかさのシンボルとされております。

この6本の牙には、それぞれに意味があり、布施(ふせ)、持戒(じかい)、忍辱(にんにく)、精進(しょうじん)、禅定(ぜんじょう)、智慧(ちえ)があって、本当の幸福を得るための六つの条件という事で六波羅蜜(ろくはらみつ)と言われております。

大方広仏華厳経(だいほうこうぶつけごんきょう)の六十華厳(普賢菩薩行品)、八十華厳には普賢の十大願(じゅうだいがん)が記されており、この普賢菩薩を広大な誓願の願い主として説いておられます。

普賢菩薩の十大願とは?

以下がその十大願であります。

1、礼敬諸仏(れいけいしょぶつ)→全ての仏様に対してけがれなく清らかな身体と言葉と態度で礼拝する事

2、称讃如来(しょうさんにょらい)→全ての仏様の諸々の功徳を声を出して褒めたたえる事

3、広修供養(こうしゅうくよう)→全ての仏様を華鬘(けまん)等の素晴らしい仏具をもって供養する事

4、懴悔業障(さんげごっしょう)→過去の諸々の悪行を仏様・菩薩に懺悔する事

5、随喜功徳(ずいきこうとく)→全ての功徳を余す所なく喜ぶ事

6、請転法輪(しょうてんぼうりん)→全ての仏様に対して教えを説いてもらえるよう請願(せいがん)する事

7、請仏住世(しょうぶつじゅうせい)→仏様・菩薩・修行者がこの世に居続けられるよう請願する事

8、常随仏学(じょうずいぶつがく)→常に最後まで仏様に随って(したがって)学び事

9、恒順衆生(こうじゅんしゅじょう)→全ての衆生を供養して父母のように敬う事

10、普皆廻向(ふかいかいこう)→以上の事から得られた功徳を余す所なく全ての衆生に向けて、その成道(じょうどう)を願う事

普賢菩薩のスタイルは?

この普賢菩薩は、牙が6本ある白い象の上に蓮華があってその上の台座に座っており、とても穏やかな表情で合唱しております。

また、この6本の牙の白い象は、インドの神話においては象の王の事を指していると言われており、お釈迦様の前世は象王であったという逸話も伝えられております。

これは、摩耶夫人が夢の中で胎内に入る白象を見て、お釈迦様を身ごもったと言われております。

この6本の牙の白象は、密教像でもある帝釈天の乗り物でもあります。

胎蔵界曼荼羅の中台八葉院と文殊院では、三鈷杵(さんこしょ)・蓮華・利剣(りけん)を持っている姿で描かれております。

その姿は、二臂像は五鈷杵と五鈷鈴(ごこれい)を持っており、また、二十臂像もあって一身三頭六牙(四頭の場合もあり)の白象に乗っております。

また、多くの場合には文殊菩薩と共に釈迦如来像の両脇(向かって左)に祀られる場合が多いです。

像は日本ではあまり馴染みが無い動物ですが、千葉県にある皇産霊(むすび)神社では、神の使いとされております。

白像

普賢菩薩のご利益とは?

学業成就、合格祈願、息災延命、女性守護、修行者守護、幸福を増やす増益のご利益があるとされております。

また、辰・巳年の守り本尊であります。

普賢菩薩の事が書かれている経典

法華経(ほっけきょう)、華厳経(けごんきょう)

普賢菩薩の祭事は?

毎月24日は、普賢菩薩の縁日とされております。

有名寺院

京都府の岩船寺(がんせんじ)、東京都の大倉集古館(おおくらしゅうこかん)、奈良県の円證寺(えんしょうじ)

普賢菩薩の真言は?

オン・サンマイヤ・サトバン

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