十二支の守り本尊とは?

今回は、十二支の守り本尊について紹介していきます。

守り本尊

生まれ年の干支によって人それぞれに、守り本尊が決まっていると言われております。

十二支守り本尊は古来より、開運の守護仏や厄除けとして信仰されてきたと言われています。

十二支守り本尊

  1. 千手観音菩薩(子年)
  2. 虚空蔵菩薩(丑・寅年)
  3. 文殊菩薩(卯年)
  4. 普賢菩薩(辰・巳年)
  5. 勢至菩薩(午年)
  6. 大日如来(未・申年)
  7. 不動明王(酉年)
  8. 阿弥陀如来(戌・亥年)

子(ネズミ)年生まれの御守り本尊 千手観音菩薩(せんじゅかんのんぼさつ)

千手観音菩薩

千手観音菩薩(せんじゅかんのんぼさつ)は千手千眼観世音菩薩(せんじゅせんげんかんぜおんぼさつ)又は千臂千眼観世音菩薩(せんぴせんげんかんぜおんぼさつ)とも言い、略して千手観音と言われています。

梵名サハスラ・ブジャと言い、インドのシバ神の別名でもあって、「千の手を持つ者」の意味があると言われています。

この千手観音は奈良時代から盛んに信仰されている仏様です。

また、観音は観音の中でもひときわ功徳が大きいので観音の王、「蓮華王(れんげおう)」とも呼ばれており、千の手と手のひらに千の眼を持つとされています。

千手観音は、千の眼で一切衆生の願いを見届けて、千の手で救済されると言われています。

千という数字には、人々を救う働きが無限である事を示していると言われています。

仏像によってですが、手が40本しかないものもあり、それは1本の手で25人を救うと考えられています。

この千手観音は諸願成就(しょがんじょうじゅ)の御利益があり、毎月17日は縁日となっております。

丑(ウシ)・寅(トラ)年生まれの御守り本尊 虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)

虚空蔵菩薩

虚空とは何も無い空間の事を指し、この虚空蔵菩薩は何も無いところから、無量の智慧と功徳を持って宝(蔵)を生み出し、常に衆生に利益を与えて諸願を成就させる菩薩と言われております。

弘法大師(空海)の若い頃には、虚空蔵菩薩の名を100万回唱える「虚空蔵菩薩求聞持法(こくうぞうぼさつぐもんじほう)」と呼ばれる修行により、超人的な記憶力を身に付けたと言われております。

また、日蓮聖人も日本一の智慧を授けてもらえるよう、虚空蔵菩薩のお堂に21日間もこもって祈願したと言われております。

現在でも、毎年4月13日に「十三詣り」(子供に智慧を授ける民間信仰)といって、13歳になった時に虚空蔵菩薩にお参りする風習が各地には残っています。

この虚空蔵菩薩は、頭脳明晰(ずのうめいせき)・滅罪招福(めつざいしょうふく)・技芸向上(ぎげいこうじょう)・記憶力増進(きおくりょくぞうしん)の御利益があり、毎月13日は縁日となっております。

卯(ウサギ)年生まれの御守り本尊 文殊菩薩(もんじゅぼさつ)

文殊菩薩

「3人寄れば文殊の知恵」と言う諺(ことわざ)で有名な智慧の仏様です。

この文殊は、古代インドにて実在した人物と言われていて、並外れた智慧を持っており、お釈迦様の教えを経典にまとめ上げたと言われております。

この文殊菩薩は、知恵明瞭(ちえめいりょう)・学業成就(がくぎょうじょうじゅ)の御利益があり、毎月25日は縁日となっております。

辰(リュウ)・巳(ヘビ)年生まれの御守り本尊 普賢菩薩(ふげんぼさつ)

普賢菩薩

この普賢菩薩の名は、「普く賢い仏様」という意味で、様々な所で人々を救う行動力のある菩薩とされています。

初期の頃の仏教では、仏道に女性は入れないとされ、悟りも開けないとされていましたが、大乗仏教ではこの普賢菩薩が女性も悟りを開けると「女人往生(にょにんおうじょう)」を説いたとされています。

このため、普賢菩薩は特に女性からの信仰が多いとされています。

この普賢菩薩は、息災延命(そくさいえんめい)・増益(ぞうやく)の御利益があり、毎月14日は縁日となっております。

午(ウマ)年生まれの御守り本尊 勢至菩薩(せいしぼさつ)

勢至菩薩

正しくは、大勢至菩薩(だいせいしぼさつ)と言いますが、勢至菩薩・得大勢至菩薩(とくだいせいしぼさつ)・大精進菩薩(だいしょうじんぼさつ)・世志菩薩(せいしぼさつ)などと訳される場合があります。

この大勢至菩薩は、阿弥陀如来の脇侍(わきじ)として左側に観世音、右側に大勢至菩薩を配置しています。

大勢至菩薩は、強い智慧の力で衆生の迷いを除く菩薩と言われており、「観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)」の中では”勢至菩薩は智慧の光をもって普く(あまねく)一切を照らし三途を離れ無上の力を得る”と説かれています。

また、大勢至菩薩は月の化身とされており、二十三夜(にじゅうさんや)に飲食を共にして、お経を唱えて月を拝んで悪霊を追い払う行事があり、このことから縁日も毎月23日になっています。

この大勢至菩薩は、家内安全(かないあんぜん)・智慧明瞭(ちえめいりょう)・除災招福(じょさいしょうふく)の御利益があり、毎月23日は縁日となっております。

未(ヒツジ)・申(サル)年生まれの御守り本尊 大日如来(だいにちにょらい)

大日如来

この大日如来は、弘法大師(こうぼうだいし)空海(くうかい)が伝えたと言われる密教の経典の中に登場する最高位の仏様、また毘盧遮那如来(びるしゃなにょらい)をさらにパワーアップした仏様と言われております。

大日如来には、無限の慈悲を象徴する胎蔵界(たいぞうかい)大日如来と、智慧を象徴する金剛界(こんごうかい)大日如来の2種類があります。

また、2種類の像を見分けるためには両手の手指を結んで組み合わせた形、いわゆる印相で見分ける事が出来ます。

胎蔵界大日如来は法界定印(ほうかいじょういん)と言われる悟りの境地を象徴する印を結んでおり、金剛界大日如来は智剣印(ちけんいん)と言われる最高の悟りの智慧を象徴する印を結んでいます。

この大日如来は、現世安穏(げんせあんおん)・所願成就(しょがんじょうじゅ)の御利益があり、毎月28日は縁日となっております。

酉(トリ)年生まれの御守り本尊 不動明王(ふどうみょうおう)

不動明王

この不動明王は、明王の中では最高位の仏様です。

不動明王の語源は「動かない守護者」という意味で、インド神話のシヴァ神の別名です。

このシヴァ神は、モンスーンの威力を神格化したものと言われており、救済と破壊の2つの矛盾する性格を持っていると言われています。

救済は、モンスーンが過ぎ去った後に草木が芽を出す力で、その反面破壊は自然の脅威である破壊的なモンスーンの力を表しています。

この不動明王は、悪魔退散(あくまたいさん)・修行者守護(しゅぎょうしゃしゅご)・家内安全(かないあんぜん)・除災招福(じょさいしょうふく)・国家安泰(こっかあんたい)の御利益があり、毎月28日は縁日となっております。

戌(イヌ)・亥(イ)年生まれの御守り本尊 阿弥陀如来(あみだにょらい)

阿弥陀如来

この阿弥陀如来は、日本ではお釈迦様と並んで有名な仏様であります。

無限の寿命を持つと言う事から 無量寿如来(むりょうじゅにょらい)また、光明(こうみょう)が限りなくあると言う事から、無量光如来(むりょうこうにょらい)とも言われております。

また、日本の寺院の半数以上の御本尊が阿弥陀如来と言われております。

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