観音菩薩とは?
今回は観音菩薩について紹介していきます。

正式には、観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)、又は観自在菩薩(かんじざいぼさつ)と言います。
「観」は仏の智慧で観る事で、「世音」は世の中の声と訳されます。
つまり、苦しみにあえぐ人達が、救いを求めている声を聞き漏らさない仏という事です。
その観音菩薩は、勢至菩薩(せいしぼさつ)と共に阿弥陀如来の脇侍を務めています。
観音菩薩は、インドではもともと男性とされていました。
沢山の人達を助けるために、様々な姿に変身し、観音経には観音菩薩の三十三化身が説かれています。
これは別名「観自在」と言われるように、観音菩薩は救いを求める人の所に行き、その人にあった姿に変身して助けてくれると言われております。
観音信仰の歴史は、法隆寺の百済観音(くだらかんのん)や救世観音(ぐぜかんのん)に見られるように飛鳥時代までさかのぼります。
日本書記の中には、686年に天武天皇が宮中に観音像を百体祀って、観音経(かんのんきょう)を読誦(どくじゅ)したとあります。
また、奈良時代の728年には、聖武天皇(しょうむてんのう)が皇太子の基王(もといおう)の病気平癒祈願のため、百七十七体もの観音像を造って、観音経を百七十七部書写し、百七十七人の僧に読誦(どくじゅ)させたと言われております。
この基王は、聖武天皇と光明皇后との唯一の皇子であって、時に満一歳であったが、祈願虚しく同年他界となった。
その菩提を弔うために平城宮の東にある、若草山の麓に金鐘寺(こんしゅじ)と言われる寺を建立しました。
この寺は東大寺の始まりで、大仏いわゆる盧舎那仏坐像を安置するために、大規模な改築をされ東の大寺すなわち東大寺と呼ばれるようになりました。
観音菩薩は人々の苦しみを取り除いて、幸福を授ける仏様として信仰されており、観音経とは法華経の一部の第ニ十五章の観世音菩薩普門品(かんぜおんぼさつふもんぼん)の事を指しており、観音菩薩が様々に変化をして人々を救う事が説かれております。