文殊菩薩とは、智慧を象徴する仏様です。
今回は、文殊菩薩について紹介していきます。

文殊菩薩の由来は?
文殊菩薩は、サンクスリッド語でマンジュシュリーと言い、訳すと曼殊室利・文殊師利と表記される。
この文殊菩薩は、文殊師利菩薩とされる事も多く、また、妙徳・妙吉祥・妙音とも訳されております。
三人寄れば文殊の知恵と言われるように、この文殊菩薩は大乗仏教の菩薩で、悟りの智慧を現わす仏様であります。
また、普賢菩薩と共に釈迦の脇侍として、また密教の胎蔵界曼荼羅では中台八葉院に、金剛界曼荼羅の賢劫(けんごう)十六尊の中に配置されております。
文殊菩薩のスタイルは?
髻(もとどり)いわゆる、頭髪の結びの数を一・五・六・八個とし、それぞれ一字文殊、五字文殊、六字文殊、八字文殊のご本尊として用いられております。
髻の数の意味は以下の通りです。
髻が1つ・・・増益→徳や利益を増やす事であり、商売繁盛などを指します。
髻が5つ・・・敬愛→平和や良縁を指します。
髻が6つ・・・降伏→悪い事を取り除く事を指します。
髻が8つ・・・息災(そくさい)→災いを消し去って、平和にする事を指します。
また、一髻(けい)・五髻・六髻・八髻文殊と称される文殊菩薩もあり、一般的には五字文殊の像が最も多く作られており、右手には智剣(ちけん)を持ち、左手には梵篋(ぼんきょう)を載せた蓮華を持っております。
六字文殊は、右手を説法印を結んでおり、左手は施無畏印を結んでおり、八字文殊は、右手には剣を持っており、左手には五鈷杵(ごこしょ)を載せた蓮華を持っております。
文殊菩薩のご利益とは?
文殊菩薩は、智慧の象徴の菩薩と言われており、その為合格祈願、学業成就、智慧明瞭など学問に関するご利益があります。
また、知恵とは物事に役立つ方法や知識を生む事ですが、文殊菩薩が司る智慧とは物事の真実を見抜いて行動する事を指しております。
文殊菩薩の事が書かれている経典
法華経、華厳経、維摩経など
文殊菩薩の祭事は?
毎月25日は、文殊菩薩の縁日とされており、また、卯年生まれと3月生まれの人の守り本尊であります。
有名寺院
奈良県 興福寺 木造文殊菩薩坐像(国宝)・・・この像は東金堂本尊の向かって右脇に安置されており、古くから学問の祈願仏として信仰を集めてきており、病気の維摩居士像(ゆいまこじぞう)と同じく定慶(じょうけい)の作と言われております。
文殊菩薩の真言は?
オン・アラハシャ・ノウ