忿怒で救済する 明王とは?

今回は、明王について紹介していきます。

明王とは、サンスクリット語で明呪(みょうじゅ)の王という意味を持っており、明呪を唱えて智慧の能力が優れた者を指しています。

明王は密教の本尊である、大日如来(だいにちにょらい)の化身とされています。

不動明王(ふどうみょうおう)をはじめとする五大明王(ごだいみょうおう)や孔雀明王(くじゃくみょうおう)・愛染明王(あいぜんみょうおう)など、いずれも密教独自の仏様です。

明王は、如来・菩薩とは違って、忿怒相(ふんぬそう)をもって救いがたい人間や生き物を、救済するために現れた仏と言われています。

明王の恐ろしいあの瞳は、悪魔を睨みつけているとよく言われています。

しかし、明王は悪魔を問題にしているのではないのです。

子供が何か危ない遊びをしていると、その母親は子供に注意をしますが、いうことを聞かずに子供は遊び続けます。

子供の遊びが、エスカレートしてこのまま放っておいたら命の危険にかかわるとわかると、母親は必死になって子供の遊びをやめさせようとします。

その時、母親の形相は子供からすると、恐ろしい顔に見えるが、それは救うための必死の形相なのです。

明王は、普通の方法ではいうことを聞かない人を厳しく従わせるために、怒りの表情である忿怒相(ふんぬそう)で救済するのが特徴的です。

不動明王(ふどうみょうおう)を中心とする降三世明王(ごうざんぜみょうおう)・軍荼利明王(ぐんだりみょうおう)・大威徳明王(だいいとくみょうおう)・金剛夜叉明王(こんごうやしゃみょうおう)の五大明王の他、愛染明王(あいざんみょうおう)・六字明王(ろくじみょうおう)・孔雀明王(くじゃくみょうおう)などがおられます。