勢至菩薩は、サンスクリット語でマハースターマプラープタと言って、大勢至菩薩(だいせいしぼさつ)とも呼ばれたり、得大勢菩薩(とくだいせいぼさつ)とも呼ばれております。

今回は、勢至菩薩について紹介していきます。

この勢至菩薩は、観音菩薩と共に阿弥陀如来の右脇侍として従っており、独尊で祀られる事は非常に少ないようです。

阿弥陀如来・観音菩薩・勢至菩薩が一組となって、阿弥陀三尊と呼ばれており、真ん中の阿弥陀如来を、勢至菩薩が智慧の面からサポートしていると言われております。

また勢至菩薩は、観無量寿経の中で、「知恵を持って遍く一切を照らし、三途を離れしめて、無上の力を得せしむ故、大勢至と名ずく」とあって、これは迷いの世界の苦しみから智慧を以て救って、亡者を仏道に引き入れて、正しい行いをさせて極楽浄土に導いてくれる菩薩とされています。

勢至菩薩が、力が強く、足をただ踏み下ろしただけでも、三千世界や悪魔の宮殿をも震動するほどの怪力であるため、大勢至菩薩の名がついたと言われおります。

ちなみに、智慧第一と言われている法然の幼名は勢至丸(せいしまる)でした。

勢至菩薩は月の化身とされていて、二十三夜(にじゅうさんや)に講といわれるグループが飲食を共にして、お経などを唱え月を拝み、悪霊を追い払うという月待行事を行って、その供養の証しや記念として建立されたのが、月待塔(つきまちとう)です。

ちなみに、崇拝の対象としては十三夜は虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)・十五夜は大日如来(だいにちにょらい)・十七夜~二十二夜は観音様・二十三夜は勢至菩薩(せいしぼさつ)を本尊として祀っております。

この月待行事は、江戸から昭和の初期までは、全国各地で盛んに行われていましたが現在はほとんど行われていないようです。

二十三夜の他に、十五夜・十六夜・十九夜・二十二夜などの特定の月齢の夜にも行われていましたが、この二十三夜は月齢でいうと「下弦の月(かげんのつき)」で、月が出る時間というのが午前0時で、その時刻に幻想的な月の形が信仰と重なり、二十三夜を一般的なものとしたと言われております。