天部とは、仏教を守護する仏様です。
今回は、天部像について紹介していきます。

如来・菩薩・明王に次ぐ仏様がこの天部になります。
天部の仏像のルーツとは、仏教の初期の時代に古代インドの地で、広く信仰されていたバラモン教から仏教に取り込まれた有力な神々と言われております。
サンスクリット語では、神をデーヴァと言い音写すると、提婆(だいば)・天・天部とはその意訳です。
ちなみに、デーヴァはギリシャ神話・キリスト教のゼウスと、共通の起源を持つものです。
この、天部像は3つのグループに分ける事が出来ます。
1つ目が、バラモン教から仏教に取り込まれた神々で、「四天王(してんのう)・梵天(ぼんてん)・帝釈天(たいしゃくてん)・執金剛神(しゅこんごうじん)又は金剛力士(こんごうりきし)」等です。
2つ目が、紀元1世紀~3世紀にかけ、ヒンドゥー教から仏教に取り込まれた神々で、「弁才天(べんざいてん)・吉祥天(きっしょうてん)」等ですが、この頃西北インドのガンダーラで初めて仏像(釈迦像など)が作られるようになりました。
3つ目が、ヒンドゥー教から後期大乗仏教(こうきだいじょうぶっきょう)・密教へ取り込まれた神々で、鬼子母神(きしもじん)・大黒天(だいこくてん)・歓喜天(かんぎてん)・韋駄天(いだてん)・摩利支天(まりしてん)等があります。
この他にも、1つ目の四天王に代わって十二天と呼ばれる神々で、「帝釈天(たいしゃくてん)・火天(かてん)・焔摩天(えんまてん)・羅刹天(らせつてん)・水天(すいてん)・風天(ふうてん)・毘沙門天(びしゃもんてん)・伊舎那天(いざなてん)・梵天(ぼんてん)・地天(じてん)・日天(にってん)・月天(がってん)」で構成されています。